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日記をつけて、自分の文章の「クセ」を知る

by K.Yuka

皆様こんにちは。インストラクターのK. Yukaです。翻訳技術を高めるためには、英日翻訳であればソース言語における語学力、そして原文の背景を深く探るリサーチ力はとても大切とされています。確かに、この2つの能力がきちんと身についていなければ、翻訳では絶対に避けたい「誤訳」につながってしまいますよね。

しかし、翻訳では、語学力やリサーチ力と同じように重視されるもう1つのスキルがあります。それはもちろん、皆様ももうお察しの通り、日本語での表現力です。

原文の意味をネイティブレベルの正確さで理解していようと、そして専門用語にいかに通じていようと、それを訳文で表現する日本語の力が追い付いていなければ、良い翻訳として扱ってもらえません。「誤訳しているわけではないんだけれど、文章として読みにくいんだよな」「商品価値のある翻訳になるにはあと一歩か二歩くらい」という評価をもらうことが多くなるでしょう。つまり、日本語の拙さはそれだけ翻訳の質に影響するのだということです。そのため、翻訳技術を上げるためには、語学力とリサーチ能力に加え、日本語での文章力にも磨きをかけていく必要があります。

では、どうすれば日本語の文章力を向上させることができるのでしょうか?

日記をつけて、自分の文章の「クセ」を知る

そのヒントは、「日記」にあります。できれば毎日、それが無理そうであれば週に何回か、定期的に日記をつけ、書いた後で自分の文章を観察してみましょう。句読点のバランスや文構成に乱れはないか、起承転結が意識されているかなどをポイントに、自分で赤ペンを入れて添削してみてください。「ここを直せばすんなりと読みやすい文になりそうだ」「句読点が多く、産業翻訳には向かないけれど、文芸翻訳なら味のある文体にできそうだ」など、いろいろなことを分析できるはずです。あまりたくさんの文章を書く必要はありませんが、まとまった量の文を自作し、そこから自分の文の「クセ」をしっかり見抜くようにしましょう。

このときおすすめなのは、紙の日記帳です。パソコンのワードソフトやメモ帳機能を使うという手もあるのですが、こうしたワープロ機能を使うと文や語を「盛る」ことが多いので、自分の文の特徴を知るにはやや不向きと言えます。その反面、紙に書いているときには余計な盛りを入れることが少なく、素のままの自分の文章を知ることができます。立派な日記帳である必要はなく、普通のノートで構いませんので、とにかく書き手としての自分の特徴や能力を自分でも把握できるように書いてみましょう。

ただ、日記というと書くことがなくて三日坊主になることが多いですよね。そんな状況の打破に効果的なのが、思い切って、「書くことがない」をトピックに書き始めることです。書き始めがしっかりできれば、あとはなぜ書けないのか(疲れている、面白いことがなかったなど)理由を書き、それについての感想などを盛り込むだけで立派な日記が完成します。日記に困ったときにはぜひ試してみてください! 

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