翻訳技術の基本練習
Hello everyone!
フィンランド出身講師のErikaです。今日は「翻訳技術を高めるプチ情報」というテーマで、
これから翻訳者としてスタートしたい方向けにお届けします。
何かの技術を一気に高めるには特効薬はないと思いますが、翻訳技術を高めるには、やはりたくさん文章を読むことが基本ではないかと思います。
翻訳者は起点言語(多くの場合は外国語)だけでなく、目標言語(多くの場合は自分の母語)の知識も豊富でなければなりません。このため、例えば「将来的には英語の小説を日本語に訳したい」と考えている方は、
英語の勉強だけでなく、日本語の小説も習慣的に読む必要があります。本格的に翻訳家を目指したい方は試しに短い文章を訳してみるなど、実際に翻訳作業をやってみるのも良いと思います。実際に翻訳作業を試してみることで、どこが難しく、どこが練習すべきポイントかがより分かり易い形で目に見えてくることがあります。
映像翻訳のスキルアップには
私自身は文章よりも映像翻訳の経験が多いのですが、普段から心がけていると言いますか、職業柄どうしても気になってしまうのが「テレビや映画の字幕」です。
「この日本語は、こういう風に翻訳できるんだな」
「なるほど、そういう言い方もあるか」など、
面白い字幕を発見したら早戻しをしたり、一時停止して反芻することがあります。
たまに誤訳が入っていることもあるのですが、「そういえばこのような捉え方もできるな」など、貴重な勉強の機会になります。
おかげで映画がなかなか進まなかったり、字幕にばかり気を取られて内容が入ってこないこともしばしばありますが(笑)なので、単にリラックスして映画を観たいときは仕方なく字幕をOFFにするか、音声と同じ言語の字幕にしています。(これでも、面白い表現があるとどうしても翻訳が気になってしまい、一時的に字幕をONにすることもあるのですが…。)
字幕は小説や記事など、通常の単なる文章と違い同時に二言語の情報をインプットすることができますので、翻訳技術を学ぶには効果的な資料ではないかと思います。
苦手な分野をピンポイントで練習
これは翻訳だけでなく言語学習にも通じる話なのですが、人にはそれぞれ得意な分野と苦手な分野がありますよね。私の場合、日本語の苦手分野は「擬音語と擬態語」(いわゆるオノマトペ)です。日本語は世界の言語の中でも擬音語や擬態語が多いほうだと言われているのですが、使わなくても意味が通じるので、日本語の擬音語・擬態語は外国語母語話者にとっては習得しづらいとも言われています。
なので、最近では擬音語や擬態語の理解度をアップさせるべくピンポイントで研究/勉強しています。擬音語が頻繁に登場する漫画を見たり、文章の中で登場した擬態語をノートに書き留めたりします。皆様も、自分の「苦手意識」のある分野(例えばスラングなど)を意識し、特にその分野の勉強に力を入れれば技術アップが期待できそうですね。言語は我々の生活と密接に結びついているので、様々な体験が思わぬ形で翻訳のスキルアップにつながることがあります。