国内外の翻訳エージェントと契約する
フリーランスの翻訳者として仕事を得るには?
フリーランスの翻訳者として仕事を得るための方法にはさまざまなものがあります。例えば、翻訳を始めてまだそこまで時間がたっていない初心者レベルであれば、クラウドワークスやランサーズといったクラウドソーシングサイトに登録したり、GengoやConyacなどオンライン翻訳サービスで小さな仕事を受けながら実力アップにつなげていったりするのがおすすめです。
オンライン翻訳サービスは翻訳者登録時に簡単なトライアルテストを設けているものが多いので、翻訳者としての基本的なスキルが身についているかどうか、実力試し程度に受けてみるのも良いでしょう。
いずれにせよ、最初のうちはハードルを上げ過ぎず、小規模で簡単な仕事で実力を少しずつ伸ばしていくようにするとスムーズだと思います。
こうしたクラウドソーシングサービスやオンライン翻訳サービスである程度実力がついてきたら、今度は本格的に翻訳エージェントのトライアルテストに挑戦していきます。翻訳エージェントのトライアルテストの問題や性格は会社ごとに大きく異なります。
また、好まれる訳文の雰囲気にもエージェントによって相違が見られる場合があります。つまり、ある翻訳エージェントでは良しとされる訳文が、他のエージェントでは不合格判定になるというケースも否定はできないのです。そのため、翻訳エージェントのトライアルを受けて不合格になっても、決して落ち込んではいけません。
もちろん、どうしてトライアルを突破できなかったのか、訳文やその他提出書類に不備があったのかなどをしっかり見直すべきではあります。しかし、単純にトライアルを受けた翻訳エージェントと相性が合わなかったという可能性もあるのです。従って、どこかのトライアル試験に落ちたとしても、「私には翻訳の才能がないのかもしれない」と落ち込まず、どんどん次の会社にアプローチしていきましょう。実力さえしっかりと身についていれば、拾ってくれる会社はどこかにあるものです。
そしてトライアルテストに合格すると、晴れて翻訳者として仕事を探せるようになります。
国内外の翻訳エージェントとその違いについて
さて、翻訳エージェントは日本国内にたくさんありますが、実は日本人翻訳者を募集している海外エージェントも少なくありません。翻訳者求人サイト『翻訳者ディレクトリ』の求人情報を見てみると、日本エージェントの他、米国や中国、ベルギーなどの有名翻訳会社からの求人情報が掲載されています。
トライアルテストの難易度は日本の翻訳エージェントとさほど変わりませんが、応募時に英文の履歴書や職務経歴書の提出を求める会社が多い印象です。そのため、海外の翻訳エージェントとの契約にも興味がある場合は、英文の応募書類や英文メールの書き方の準備をしておいたほうが良いでしょう。
ところで、日本と海外の翻訳エージェントの違いですが、個人的な体感としては、海外エージェントのほうがローカライズ案件に幅広く対応しているせいか、SDL TradosやmemoQといった翻訳支援ツール(CATツール)を活用した作業が多いようです。従来型の「ワード原稿をワード原稿に翻訳する」系の案件は、国外エージェントではほとんど目にすることがありません。翻訳のIT化がかなり意識されていることの表れだと思います。
もちろん、日本の翻訳会社でもCATツールを導入しているところは少なくありませんので、日本・海外どちらの会社に応募するにせよ、CATツールについてある程度の知識が必要になるでしょう。翻訳支援ツールは非常に高額になることも多いため必ずしも購入すべき、とは言いませんが、知識程度は持っていたほうが安心です。