ローカライゼーション翻訳とは?
みなさんこんにちは、英日翻訳家デビュー講座インストラクターのK. Yukaです!
最近、「ローカライゼーション翻訳」という翻訳分野をよく耳にするようになったのではないでしょうか。今回の記事では、ローカライゼーション翻訳とは何か、そしてローカライゼーション翻訳の仕事への応募方法について説明します。
◆ローカライゼーション翻訳とその特徴とは?
ローカライゼーション翻訳は実務翻訳の分野の一つで、主にデジタルコンテンツの翻訳を意味します。デジタルコンテンツとは、企業のウェブサイトや、モバイルアプリのユーザーインターフェースの翻訳などです。また、それ以外にも製品やサービスなどを多言語化することをローカライゼーション翻訳と呼ぶこともあります。
ローカライゼーション翻訳の特徴としては、複数の言語に一斉に翻訳する形の案件が多いという点が挙げられます。例えば、あるアプリを世界中で配信したい場合、そのユーザーインターフェースやアプリストアでの広告文を各国の言語に訳す必要があります。もちろん、中国語→日本語や英語→日本語など、特定の言語の翻訳に限られるケースもあるものの、基本的には多言語で一斉翻訳するプロジェクトが多いです。
また、翻訳対象のデジタルコンテンツや製品がどこで生まれたとしても、ターゲット言語に英語が使用されることがほとんどであるのもローカライゼーション翻訳の大きな特徴の一つでしょう。
◆ローカライゼーション翻訳と翻訳の違いは?
一般的な翻訳とローカライゼーション翻訳とで違うのは、ローカライゼーション翻訳ではソース言語とターゲット言語での社会的・文化的背景の意識が強調される点です。例えば、モバイルアプリの通知メッセージを英日翻訳する場合、トーンマナーが英語と日本語で異なることに注意し、日本語文化圏に適した訳し方にする必要があります。これに加え、文字のフォントや大きさ、配色など、翻訳した内容をターゲット言語の文化に適した体裁に整えることが求められるケースがあります。ただ、翻訳エージェントからローカライゼーション翻訳案件を受注する場合はこのようなデザイン的な要素は業務に含まれることはほとんどありません。
◆ローカライゼーション翻訳の仕事を得るには
ローカライゼーション翻訳の仕事を得るには、翻訳求人サイトなどでローカライゼーション翻訳に特化した翻訳エージェントの求人を探し、応募するのが王道的な方法と言えるでしょう。『翻訳者ディレクトリ』などの求人サイトには多数登録されています。また、ローカライゼーション翻訳の需要は日本の翻訳エージェントよりも海外の翻訳エージェントで高めである傾向もあります。そのため、日本市場だけでなく海外市場もチェックするのがおすすめです。
◆ローカライゼーション翻訳で勉強すべきこと
ソース言語をターゲット言語で商品として使えるように翻訳するのがローカライゼーション翻訳の特徴ですので、ターゲット言語でのトーンマナーに熟知する必要があります。普段使っているサービスやアプリの文言を観察しておくと良いと思います。
また、デジタルコンテンツの翻訳といっても、その内容が多岐にわたることもあります。例えば、金融系のアプリを翻訳する場合は金融業界の知識が必要不可欠です。フィットネスアプリを訳すならダイエットやフィットネスに詳しいほうが訳しやすいでしょう。
そのため、ローカライゼーション翻訳で成功するには、あらゆる事柄にできるだけ広く深く通じておくことが求められると思います。知識の多さはローカライゼーション翻訳だけでなくあらゆる翻訳に通じますので、日々の学習をぜひ大切にしましょう。