Story
この本のあらすじ
英国リバプールでの商談を終えたウィリアム。
ニューヨークへの帰路に乗った船で不思議な魅力を備えた若い英国婦人、ジャネットと出会う。彼女への思いを打ち明けた直後、乗っていた船が沈没する・・・・・・。
目覚めたウィリアムが目にした現実とは? ジャネットの正体は? そして難破船の行方は?
Appeal
この本の楽しみ方・魅力
辻褄が合うようで合わないため、ミステリーを読むつもりで謎解きに挑むも良し、全てを{夢幻/(ルビ)ゆめまぼろし}と読むも良し、19世紀後半の英米両国富裕層の生活を垣間見るも良し、といった作品です。アガサクリスティーの作品等、同時代の映画やドラマをご覧になったことがあれば、それを思い起こしながら読み進めていただくと楽しいと思います。
原文には挿入句や修飾節が多用されているため、典型的な「後ろから訳す」英文和訳の手法を取ると冗長になってしまいます。翻訳するに当たっては、なるべく英語の語順を生かし、登場人物の目に映った順番や、読者の思考に入りやすい順番を意識してみました。原文と読み比べながらその工夫を感じ取っていただければと思います。
ひたひたと迫りくる不気味な世界観に慄きながらも、早く続きが知りたくて読み進めてしまう・・・。読者の心の動きを見透かしたようなポーの企みに、物語の幕が下りる衝撃の瞬間まで、どうか存分に身をゆだねてください。
ブックレビュー
夢か幻か現実か分からない世界観で描かれている作品です。引用されている『デネカーの瞑想』は、著者ビアスの創作したものであり、実在しないものです。この引用もまた、謎が謎を呼ぶ役割を果たしています。
奴隷解放宣言(1863)から十年余りの時代設定のため、人種や階層について、現代の日本とは違った価値観が見られます。
この本のもう一つの楽しみ方
フルーツフルイングリッシュの英日翻訳家デビュー講座Liteでは英語の短編をテキストに、受講者様それぞれが作品をまるまる一人で翻訳します。二回の添削を受け、仕上げた翻訳作品のなかから公式アワード金賞を受賞すると、英日対訳本が発売されます。
この対訳本は見開きで左ページが英語の原書、右ページが日本語の翻訳作品となっていますので、原書をご自身で翻訳したものと対訳本の和訳とを対比してみるのも良いですし、英文読解のトレーニングに和訳を活用することもできます。
こちらの対訳本には、特典として英文読解力向上のための手引書がついてきます。手引書には原書のスタイルに沿った読解のコツとワークシート、Glossary(語録集)などが載っています。あなたなりの英語学習にぜひお役立てください。
購入者特典
原作はアメリカ文学100作品に選ばれている Ambrose Bierceによります。彼はかのヘミングウェイにも影響を与え、エドガー・アラン・ポーに並びサイコホラーを確立したとされるアメリカ文学史に残る文豪です。Ambrose Bierceの作品はアメリカ文学の授業でも必ず取り上げられるもののうちの一つでしょう。
本書は夢か現実か、乗った船が難破したと思ったら別の船で目覚めるというミステリアスな作品ですが、Ambrose Bierce自身の最期も謎に包まれています。ジャーナリストでもあったBierceは1913年にメキシコ革命の取材のため旅立ちますが、消息不明となります。彼の失踪は社会的にも大きく取り上げられ、捜索隊が派遣されたりしますが、現在に至るまでその真相は知れぬままとなっており、自身の小説さながら、ミステリアスな憶測がなされています。
訳者紹介
木村恵美
首都圏私学の中高一貫校で30年以上英語教員として勤務。退職後も英語 に関わっていきたいと考え、FEの翻訳講座を受講するようになった。
2022 年には英日翻訳家デビュー講座 Children Book Series プチ「The Bell」 で金賞を、2023年には同講座Lite「The Mad Kyoto Shoe Swapper」で銀 賞を受賞した。
今後は自分の経歴を生かし、文芸作品だけでなく、十代の子供たちや保 護者の力になれるような啓発本や、心理学に関する本の翻訳を手掛けたい と考えている。
書籍情報
- タイトル
- A Psychological Shipwreck(対訳版)
- 邦題
- 難破船の行方
- 著者
- Ambrose Bierce
- 訳者
- 木村恵美
- ジャンル
- ミステリー・ホラー
- ページ数
- 22ページ
- ISBN
- 978-4-9912684-1-0 C0097
- 価格
- 定価990円<税込>