英語力アップのヒント
フルーツフルイングリッシュは「英語を書く」コンセプトに特化したオンライン学習サイトです。英語を「書く練習」と「添削指導」を通じて「英語力をアップ」させます。
あなたが効果的に英語力をアップできる理由
私たちの強みは、添削結果として、マンツーマンの添削指導内容が膨大なデータとして残っていることです。このデータを分析することで、日本人が共通して苦手とする改善テーマが明確になっています。あなたの英語力を改善するために何を学ぶべきかご紹介いたします。
05:英語脳編
日本語はもともと「村」社会の「あうんの呼吸」を反映してか、主語を表現せず曖昧にします。例えば、「このネクタイをプレゼントされた。」のように、受身形が多用されます。しかし英語圏の人は「Someone gave it to me.」と能動態で表現します。
日本人は日本語表現をそのまま英語にする傾向があります。そのため日本人英語は、受身形を多用しすぎる傾向があるのがひとつの特徴です。英語では必要性がある限られたケースでしか受動態を使わないため、受身の多様は相当ぎこちなく響きます。当社のバイリンガル講師、モーガン先生に登場していただきましょう。
脱・受動態だらけの英文
私たちがネイティブ講師が日本人の英語指導をしていてよく思うのは、みなさんそれほど英語力がないわけではないことです。 むしろ、文法は問題ないし、単語力もあるし、構文も理解しているのに、なんだか変な、つまり「わたしたちネイティブだったらこうはいわないな〜」という英語が圧倒的に多いのです。
それがどこから来るか考えた時に顕著なのは、日本語で考えたことを、英語文法に則ってそのまま英語にすることから生じることが多いように思います。
もちろん出てくる英語は文法的にはあっています。日本のテストでも100点を取れるでしょう。でもそもそも日本語の表面的な字面だけを文法ルールにのっとって英語にしても、出てくる英語は、残念ながらネイティブが使う英語からは実は程遠い現実があります。
日本語の表現をそのまま英語にしても英語らしい英語にならない
日本文化は「あうんの呼吸」の文化と呼ばれます。例えば日本語は主語がない、受身の表現が多いなどが上げられます。日本語には文化特性からか受身の文章が多用されますが、英語では受身を使うのは3つのケースの場合のみです。
例を見てみましょう。
日曜大工が得意なお父さんのケース
My father painted this wall.
(父がこの壁を塗りました。)
きっと日曜大工が得意なお父さんなんでしょう。
さて問題です。これを同じ意味のまま、this wall を主語にして書き換えなさい。
This wall was painted by my father.
(この壁は父に塗られました。)
こういう問題をみなさんは、学校で何度も訓練したのでしょう。正解です。文法的には。でも変です。意味が同じままとは言い切れません。
日本人の皆さんは、えー?どうして?と思うでしょう。
これが、私達ネイティブスピーカーにどういう風に聞こえるかというと、
“お父さん”はレオナルド・ダ・ヴィンチのような世界的に有名な画家で、塗られた壁はたいへん貴重な芸術品”だという感じです。
This wall〜の受動態は、wallの貴重さを押し上げた表現に聞こえるのです。
日本語には「〜られる」、「〜れた」、という言い回しがたくさんありますよね?
・コミュニケーション力が現代のビジネスマンには求められている。
・今日学校で褒められた。
・新入部員はしごかれる。
特に受動態的に「〜られる」、「〜れた」という場合、アクションを起こした人(行為主)を言わずとも、被害や受益、へりくだった感じを言い表すことが日本語では可能なのです。芸能人が「ドラマに出させてもらっている、〇〇の役をやらせてもらっている」と言うのをよく聞きますが、私からすると、「え?誰に?」と聞きたくなります。私の英語脳がいつも“主語”を求めているからです。私の日本語脳はまだまだ成長過程のようですね(笑)
上司との会話のケース
あなたがガールフレンドにもらった素敵なシャツをきていました。すると、上司に「いいシャツだな。どうしたんだ?」と聞かれました。「僕のかわいいガールフレンドが・・・」と言う必要がない場合、日本語では「いただいたんです。」と“誰から”を明示せず、やり過ごすことができます。
この場合の「いただいたんです」を直訳すると I was given. となります。
でもこれでは不自然ですね。日本語は、受け身で答えるのに対し、英語の場合、「誰から」を明示する必要がない場合でも能動態の場合が多いです。この場合、便利なのがsomeoneです。ここではI was given this shirt by someone.と受動態ではなく、someone gave it to me. と能動態が自然です。
「いただいたんです。」→「(人が)くれたんです。」
と日本語を読み替えることができるかどうかが、ポイントです。
概して、日本語は「誰が」(つまり主語を)いつもかしこも明示しないその奥ゆかしさを美徳とするためか、受動態が多く使われます。対して、「誰が、何を」を主軸に、直接的な表現が好まれる英語では、受動態より能動態を多く使います。
受動態を使う時は、お決まりのパターンがいくつかあります。それ以外は、なるべく能動態で英作文するクセを付けてみてください。日本語にとらわれず、もっと自由な発想で英作文できるようになるはずです。
ちなみに、英語で受動態を使うパターンはこの3つだけです。ヒントにしてくださいね。
パターン@行為主がわからない時、はっきりさせたくない時
パターンA行為主が不特定多数の時
パターンB行為主よりも行為を受けた人、行為自体を強調させたい時
学校の英語教育があなたを何も考えない表現者にする
日本の学生は、受動態のセクションでは、ひたすら能動態を受動態に書き直す練習をします。
He read this book yesterday.
⇒ This book ( ) ( ) ( ) him yesterday.
もちろん正解は
This book was read by him yesterday.
なんですけど・・・ 普通じゃ言わない英語です。
こう表現すると「その本」は有名人の”彼”が読んだために博物館に大事に飾ってあるくらいプレミアが付いたような仰々しい印象がでます。
とにかく能動態を be動詞+過去分詞形+by 人 の公式を使って何回も何回も解くんです。その作業が、機械化してしまってそのうち、受動態のニュアンスを考えることもせず、何も感じなくなります。他のことは二の次に、形式が合っているかどうかだけにフォーカスするんです。
こんなことを繰り返していると、そのうち、その英語が変だってわからなくなります。そうなると気をつけなければいけないのが、受動態にすると、完全に意味が変わってしまう文章です。
国際派の家族のケース
Everyone in my family speaks two languages.
(私の家族は全員2か国語話します。)
インターナショナルなファミリーですね。パパは英語とドイツ語が話せて、ママは日本語と英語が話せて、娘は英語とフランス語が話せる。そんな感じでしょうか?ここでいうtwo languagesは家族みんなが一人一人バラバラの言語を話せるという理解でOKです。
Two languages are spoken by everyone in my family.
(2か国語が私の家族全員によって話されます。)
この言い方だと、特定の2ヶ国語をこの家族は話すということになります。日本語と英語だけを家族全員が話せるという言い方で意味はわかりますが、日常使いとしてはunnaturalです。
ビジネスマンのケース
では、これを受動態にしてみてください。
Some businessmen use multiple phones.
(一部のビジネスマンは複数の携帯を使う。)
Multiple phones are used by some businessmen.
となるでしょうか?文法上、こうなりますよね。でも、意味はどうでしょう?
(複数の携帯は、一部のビジネスマンによって使われた。)
う〜ん…。どういう状態なのかよくわかりません。
中学生の学生さんからは、「なぜですか?be動詞と過去分詞形を使っているから、受動態でしょう?」と言われてしまいそうですね。
ですが、このように文型を{受動態=be動詞+過去分詞形}と公式にあてはめてみても、意味が通らないものがあります。
日本人の皆さんは、文法が得意な方が多いです。数学の公式のようにたくさん記憶されていることでしょう。
でも言語は、公式の言うことを聞かないこともたくさんあります。公式に当てはめるのではなく1つ1つ単語の意味を追っていくことも大切なんです。
文法はあくまでルール。生きた英語は文法ルールでは作り出せない
ここでは、当社のバイリンガルネイティブ講師が記事を書いています。
ここでご紹介したように文法にあまりに重きを置きすぎるのは危険です。もちろん英語に普段接しない私たちには文法は英語をゼロから構築できる非常に便利なツールです。でも、やはり自分の英語がちゃんと意図しているものになっているかは、文法や辞書だけでは分らないのです。生身のネイティブに英語をぶつけて、どう聞こえるのか?どうまずいのか?をチェックしてもらうこともあなたの英語力を客観的に評価する大切な手段になります。